カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)
カーボン繊維と樹脂とを組み合わせたカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)。
CFRPは寸法安定性がよく、高強度、高剛性、高い疲労強度、優れた耐食性、そしてX線の透過率において優れた性質を備えています。
CFRP製品の用途例
軽くて強い特性に加えて、耐蝕性や疲労強度、寸法安定性、X線の透過性を活用し、航空・宇宙用途をはじめとして、医療機器、スポーツ・レジャー用途など幅広い分野で利用されています。
航空・宇宙
航空機の構造材などにCFRPを使用することによって、大幅な重量軽減ができ、燃料消費の削減に寄与します。
また人工衛星のCFRP化による軽量化は、打ち上げコストの低減となっています。
スポーツ・レジャー
スポーツ用品は、CFRPによってとくに大きな恩恵を受けています。
テニスラケットでは、軽量性、高強度性、高剛性といった素材への要求特性とCFRPの特性とが合致し、テニスラケット素材としてのCFRPの優位性が確立されました。
また、ゴルフシャフトでは、より軽量化、より優れた耐ねじれ性を持ったシャフトの登場により需要を伸ばしています。
医療機器
CFRPのX線透過率はアルミニウムに比べて5倍の透過性です。
高剛性、高強度の性質とあいまって、この分野への利用は着実に進められ、X線撮影装置用天板、X線フィルム密着板、X線用カセッテなどに採用されています。
その他の用途
CFRPは耐疲労性、耐腐食性に優れていることから、金属などに変わる素材として土木・建築の補強材として使用されています。
また、産業用機械分野において工作機械、ロボット部品、建設機械、自動車、情報機器分野のCFRP化によって、軽量、高強度、高剛性が計られ、高精度化、高速化、省エネルギー化に貢献しています。